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症状が重くなったときの手続きの方法

障害の程度が悪化した時に提出する書類として「額改定請求書」と「支給停止事由消滅届」があります。

■額改定請求書

 今現在、障害年金を受給している者(1級は除く)の障害状態が悪化した場合に提出する書類。


 障害年金の受給権発生日又は障害状態確認届において従前の障害等級以外に該当すると認められたとき(診査日)、額改定請求があった日から起算して1年を経過した日後に、請求することができます。

 → ただし、障害状態確認届の提出によって等級が変わらない場合は指定日から1年経過を要せず、いつでも額改定請求できる

また、例外として厚生労働省令で定める特定の事例に該当するものは、1年を待たずに請求することができます。


 

 額改定請求には額改定請求日前3か月以内の現症日の診断書の添付が必要です。

 

 

 

■支給停止消滅届

 障害年金の受給権はあるけれど、主に障害の程度が軽快したため、障害年金の全額が支給停止されている者の障害状態が悪化した場合に提出する書類。

支給停止事由消滅届は、原則として現症日で支給停止が解除され、解除日(診査日)の翌月分から支給開始となります。


したがって症状が重くなった時点の現症日の診断書の添付が必要です。
支給停止事由消滅届は、届出により現症日まで遡って支給停止解除となります。



2026年04月29日

返戻の機会を与えず不支給にした処分が取り消された重要裁決(令和5年(国)第301号)

今回紹介する裁決(令和5年(国)第301号)は、「精神科以外の医師でも、当時診察していた医師であれば精神の診断書を作成できる」 という極めて重要な判断を示しました。

さらに、保険者が請求人の申出を無視し、診断書提出の機会を奪ったまま不支給処分を行ったことが手続違反であると明確に指摘しています。

この記事では、この裁決の背景とポイントをわかりやすく解説します。

 


■ 事案の流れ
1. まずは「事後重症」で2級が決定
請求人は過去に頭蓋咽頭腫の手術歴があり、その後「器質性情緒不安定障害」で障害基礎年金2級が事後重症として認められていました。(いわゆる「先行処分」)

2. 次に「20歳到達日の障害認定日」で請求
その後、下垂体機能低下症を原因とする障害について、20歳到達日(障害認定日)での障害基礎年金を請求しました。


ここで問題となったのが、20歳当時は精神科を受診していなかったという点です。

 


■ 請求人は「返戻してほしい」と明確に申し出ていた
請求人は裁定請求時に「連絡事項書面」を提出し、次のように説明しています。

「20歳当時は精神科未受診だが、精神の診断書(様式120号の4)が必要であれば、当時診ていた内分泌科医が記載可能なので返戻してほしい」

つまり請求人は、「精神科未受診でも、当時の主治医が診断書を書けるので、必要なら返戻して指示をください」と丁寧に申し出ていたのです。

 


■ しかし保険者は「精神科未受診=診断書は無理」と判断
「精神科未受診だから精神の診断書は作れない」 と決めつけ、請求人の申出に一切応じず、そのまま不支給処分(原処分)を行ったのです。

 


■ 審査会の判断:この対応は「手続違反」であり不当だと、この保険者の対応を厳しく批判しています。

① 精神科以外の医師でも診断書は作成できると審査会は明確に述べています。

障害認定日当時に診察していた医師であれば精神科標榜でなくても精神の診断書を作成できる。その内容を確認もせず「認定できない」と決めつけたのは不適切。

② 請求人は「必要なら返戻してほしい」と申し出ていたにもかかわらず、保険者は連絡もせず、診断書提出の機会を奪いました。

審査会はこれを「適正な手続を尽くしていない」 と断じています。

③ 結論:原処分は取り消し
そのため審査会は 不支給処分の取り消しをしました。(支給決定ではない)


今回の裁決は、 請求人の申出を無視し、診断書提出の機会を奪った保険者の手続違反を明確に認定した という点で非常に重要です。
そして何より、 精神科以外の医師でも、当時診察していた医師であれば精神の診断書を作成できる という判断は、障害年金請求における大きな指針となります。


2026年03月24日

障害状態確認届(更新時の診断書)の提出期限を過ぎてしまったとき

障害年金(障害基礎年金・障害厚生年金など)を受け取っている人が、決められた期限(原則誕生月の末日)までに「障害状態確認届」を提出しなかった場合、その翌月以降の支払月から年金の支給が一時的に止まります。

その後、届出が出されたら、その内容を審査して、支給を再開するかどうかを決めます。

 

 


●届出に書かれた「現症日」が、提出期限の翌日から1年以内の場合の対応


(1) 現症日が提出期限の翌日から3か月以内の場合
届出が1年以内に出されていて、現症日が提出期限の翌日から3か月以内なら、その3か月間は「これまでの障害等級が続いている」として年金を支給します。

提出期限の翌日から1年以内に「障害状態確認届」が提出されていて、増額改定が認められた場合は、原則として現症日が属する月の翌月分から増額された年金が支給されます。
ただし、現症日が提出期限の翌日から2か月以内にある場合は、提出期限の属する月の翌月から現症日の属する月までの期間については、従前の障害等級(増額前の金額)で支給されることになっています。

(2) 現症日が3か月を超えている場合、
この場合は、「現症日までの間(=要推認期間)」に障害の状態が続いていたかどうかを医学的に判断します。

継続していたと推認できる場合 → その期間の年金も支給されます。(差止解除)
継続していたと判断できない場合 → その期間の年金は支給されません。

 

 


●現症日・届出が1年を超えて出された場合


現症日が提出期限の翌日から1年を超えている場合、1年ごとに区切って、それぞれの期間について届出します。
この場合も、この場合は、「現症日までの間(=要推認期間)」に障害の状態が続いていたかどうかを医学的に判断します。

2026年02月26日

年金証書の見方

障害年金を申請し、決定されるまでは「3~4か月程度」かかるケースが最も一般的です。 審査の混雑状況や書類の追加照会があると、半年以上になることもあります。障害年金は「支給決定が出てから実際の振込までおおむね1〜2か月」かかります。

● 支給決定が出た後の流れ
①年金証書(支給決定通知書)が自宅に届く
②その後、年金支払通知書が届き、そこに初回振込日が記載される
※年金証書で振込日は分かりません


年金証書はA4サイズの紙で、三つ折りにして長3サイズの封筒で送られてきます。

 

 

 

 



① 年金コード1350は障害厚生年金
 5350は障害基礎年金
 6350は20歳前の障害基年金
② 受給権を取得した日(基本的にこの月の翌月分から年金が支払われます)
③ 支給が決定された日


青地の部分のすぐ下が厚生年金の金額(上乗せ部分のみ)です。
④ の金額と⑤の金額の関係ですが、1級の場合、④は⑤の1.25倍になります。
2級の場合は④と⑤の金額は同額です。

3級の場合で、⑤が最低保証金額より下の場合は④に最低保証金額が入ります。(令和7年度で約62万円)
⑥ は配偶者の加給年金額です。(等級1級か2級に限る)



厚生年金のすぐ下が国民年金(基礎年金)の決定通知書になっています。
「基本となる年金額」には1級か2級の金額が、「加算額」には子に対しての加給年金が入ります。

年間の総支給金額は「厚生年金合計額」と「国民年金(基礎)合計額」の合算になります。



一番右下には、「障害の等級」と「診断書の種類」(基本的に今回申請した診断書の種類です)「次回診断書提出年月」の記載があります。

「次回診断書提出時期」については、、更新のタイミングで障害状態確認届(診断書)が自宅に送られてきますので、それを作成して提出することになります。



2026年01月29日

老齢年金繰り上げ中に障害年金を請求できるのか

老齢年金の繰り上げとは、本来65歳から受給を開始する老齢基礎年金や老齢厚生年金を、60歳から前倒しで受け取ることができる制度です。繰り上げた月数に応じて、年金額は1か月あたり0.4%ずつ減額され、その減額は一生涯にわたって適用されます。


老齢年金の繰り上げ請求をした場合、事後重症請求・併合認定での障害年金の請求をすることはできません。
また、障害年金受給していた方が、老齢年金の繰り上げ請求をした後、障害の状態が重くなっても額改定請求できません。

 


ただ、以下の場合は、障害年金の障害認定日請求ができます。


●初診日が被保険者中(厚生年金加入中、又は国民年金の任意加入中)であれば、繰り上げ請求後でも、障害認定日請求は可能です。
●初診日が被保険者中にない場合は、初診日・障害認定日が両方とも、老齢年金の繰り上げ請求する以前であれば、障害認定日請求は可能です。


2025年12月26日
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